流氷の海で、シャチは
みなさん、こんにちは。
先週、オホーツク沿岸に、冬の使者・流氷が接岸しました。
例年よりも半月から一ヶ月も早い接岸に、地元ではそれぞれの立場で、とまどいもあるようですが。
流氷については、その美しさ、大切さ、様々な切り口から語り尽くされていますので、
今さら私が語らずとも ですね。
そこで、今日は、氷海と、海の王・シャチのお話を。
カナダの氷海に閉じ込められたシャチの群れの話、ご存知でしたか?
彼らは、無事、脱出できたと見られています。
よかった。
でも、そうはならなかった、群れのお話もあります。
2005年2月7日。
知床半島羅臼町相泊でシャチの群れが、氷に閉じ込められた事故です。
群れの頭数は、赤ちゃん3頭、成熟オス一頭を含む12頭。
事故翌日に、上空から取材した現場では、
既に息絶えた11頭と、
かろうじて息をしている1頭のメスが、確認できました。
堂々として威厳に満ちた海の王たちの、変わり果てた姿に、
一瞬息がつまり、次には、ぎゅうっとつかまれたような痛みを胸に感じ、
熱いものが喉につまって、レポートする声も絶え絶えに。
なんとも言いようのない無力感に包まれたことを思い出します。
この事故については、
北海道放送、TBSの報道特集、新聞各紙などを通して、
繰り返し繰り返し、お伝えしてきましたが、
思い出すたびに、新たな痛みにさいなまれます。
小さな子供とその母、仲間達の絆が、
群れを死に導いたかもしれない。
そんな、悲しい出来事は、世界でも話題に。
海のギャングたちの、知られざる姿に、
彼らを見る目が変わった人も多かったようです。
世界の関心の高さは、
BBC制作の映画「ライフ いのちをつなぐ物語 」のディレクターから、
「相泊シャチの逸話を盛り込みたい」と、コンタクトがあったことからもわかります。
「撮影は難しいですよ。あのような出来事がまた起こる可能性は
とても低いですから」 と伝えると、残念そうにしていましたが。(それも、どうかね。)
テレビ局のヘリコプターから見た印象などは
朝日新聞のエッセイにも書いています。
こちらで、どうぞ。
http://mytown.asahi.com/hokkaido/news.php?k_id=01000851004280001
流氷の噂をきくたび、いつも鮮やかによみがえる光景は、私の心をしめつけます。
笹森琴絵
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