カマイルカのふるさと 噴火湾
みなさん、こんにちは。
さかまた組のささもりです。
さて、
カマイルカが、わんさか来ている、噴火湾。
昨日は、母と赤ちゃんのペアが集まったママ友軍団が現れるなど、
毎夏恒例・ベビーラッシュも始まっています。
ところで、なんで噴火湾にくるんだろうねえ?と思っているみなさんの
ために、先日、北海道新聞に地方版に掲載されたエッセイの亜種版を。
噴火湾の秘密 〜カマイルカのふるさと〜
「なぜ噴火湾にイルカが?」
話しはそこから始まった。
東海大 生物学部@札幌キャンパスの講義でのことだ。
野生のイルカに会ったことも、小型ボートで海へ出たこともなく、
「噴火湾ってどこ?」な〜んて顔をしている学生達を前に、
こちらはがぜん、熱が入る。
ご存知だろうか。
北海道全体の水産資源水揚げ量の1割を占める海、それが噴火湾。
釧路や羅臼に負けない、力強い海なのだ。
では、どこにその源があるのだろうか?
春に起こる植物プランクトン大発生、半年いれかえで湾に入る
親潮と津軽暖流水、有珠山や駒ヶ岳の噴火が造った魚礁、
雪解け水を大量に運んでくるたくさんの河川・・・
噴火湾は、空と大地と海が総力結集して生み出す生命のるつぼだ。
そんな噴火湾の豊さを北の海を子育てに利用するカマイルカ達が
見逃すはずがない。
ということで、毎夏のカマイルカ参上!となるわけだ。
大学での指導は、動物だけでなく海洋物理、調査実習についての
指導など多岐にわたるのだが、海洋物理が苦手のわたし。
講義の前の準備の苦労は半端でない。
でも、知識の荒海を越えると、噴火湾がそれまでよりもさらに
偉大にみえてくるだから、頑張りがいも、あろうというものだ。
講義を聴き終えた学生たちも同じ気持ちに違いないことを、
彼らの瞳の輝きが物語る。
8月が来たら、一緒に海へこぎだそう。
噴火湾の豊かさをその身に映すカマイルカが、君たちを待っている。
海洋生物調査員 笹森琴絵
(北海道新聞社自然大好き 7月7日掲載エッセイの第1稿=ボツ版)
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