ひっそりと、海で起きていること
みなさん、こんにちは。
最近は、噴火湾のカマイルカとのつきあいが忙しい、
ささもりです。
さて、
毎回、毎回、新たな感動に満ちた
カマイルカウオッチングですが、
時にはつらい出会いも。
8月3日に開催された
室蘭市主催の市民ツアーに、
講師として同行した時のことです。
ひらひらと舞うカモメの群れと、見慣れた水しぶきを、
1海里(1.8km)ほど先にみつけ、急行してみると・・・。
数頭のカマイルカたちが、旗のついた黒い浮き玉の周りで
不自然にうろうろしています。
イルカたちの動きに違和感を感じて、よくみると
息絶えたカマイルカの姿が。
誤って、浮き玉から伸びるロープにからまり、
逃れられずに窒息死してしまったのでしょう。
動かないイルカの体に、カモメがまとわりつき、
仲間たちが、周りを泳ぎ回っていました。
人間活動が野生の生き物たちに及ぼす負の影響は、
様々な形で存在し、
もちろん海にも。
2002年に撮影したこの写真は、
ひときわ元気なカマイルカの頭部にかかった、ビニールのひも。
そして2010年撮影のこちらは、
まるで苦しみを訴えるように、
船の近くでジャンプを繰り返した、
一頭のイルカ。
やはり、頭部に白いビニールが巻き付いています。
いずれも、噴火湾で、たまたま写してしまった姿。
あえて 狙って撮影したものではありません。
いったいどれだけの生き物が、同じ被害にあっているのでしょう。
どうすれば、ヒトと動物たちが、
より良い形で海を共用できるのか。
知恵を絞り、負の出来事が起こることを避ける努力をすべきなのは、
自然からいただくばかりの私たち人間のはず。
そう考えるのは、間違いなのでしょうか。
私は、未来の海にも
こんな光景が溢れていてほしいのです。
海洋生物調査員
笹森 琴絵
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